はじめに
ここのところ、エシカルな側面に注目して製品を選ぶ「エシカル消費」がますます注目を集めています。
シャンプーなどのボディケア用品についても、仕上がりや地肌へのやさしさ、価格といった従来の価値基準に加えて、エシカルな製品を選びたいという消費者のニーズに応える商品が増えています。
例えば、大手消費財メーカーのユニリーバはシャンプーブランド「Lux」の中で、成分と環境の両方に配慮した「プレミアム ボタニフィーク ダメージリペア シャンプー」を展開しています。
この記事では、製品エシカルデータ検索サービス「Deeder」がどのようなシャンプーを「エシカルである」と考えているのか、なぜそのような製品でエシカル消費を実践することが重要なのか、そして実際にエシカル消費を実践する方法について紹介します。
エシカルなシャンプーとは?
シャンプーはこれまで、主に仕上がりや地肌へのやさしさといった機能性や価格を基準に選ばれてきました。もちろん、
その一方で、最近では「その製品は安全性が十分に担保されているか?」「環境に負荷をかける方法で製造されていないか?」「その製品の売り上げはどのように社会に還元されているか?」といったエシカルな側面も、製品選びにおいて重要な要素となってきています。
Deederでは、エシカルなシャンプーを「成分」・「環境」・「社会的責任」の3カテゴリーの観点から整理しています。
エシカルなシャンプー:「成分」
Deederではシャンプーの成分評価を下記3項目に基づいて行なっています。
オーガニック
シャンプーにどの程度オーガニックな成分が含まれているのかをスコアリングの対象にしています。
例えば、シャンプーの成分として何らかの植物由来の成分が含まれる場合、その成分の元となった植物の栽培方法がオーガニックなものかどうか、といった情報をエシカルデータとして参照されます。
特に、オーガニック栽培を証明する外部認証を取得していたり、オーガニック由来成分の含有割合を明示的に表示している場合には、AIによって高くスコアリングされる傾向があります。
天然成分
シャンプーにどの程度天然由来の成分が含まれているのかをスコアリングの対象にしています。
例えば、製品を構成する成分のうちどの程度の割合が天然由来の成分なのかといった情報がエシカルデータとして参照されます。
特に、天然由来成分の含有量を明示的に表示している場合には、AIによって高くスコアリングされる傾向があります。
無添加
シャンプーにどの程度の化学的添加物が含まれているのかをスコアリングの対象にしています。
例えば、シャンプーに典型的なシリコン、パラベン、着色料や香料などがその製品に含まれているかどうかといった情報がエシカルデータとして参照されます。
特に、製品に含まれない添加物を明示的に表示していたり、含有される化学物質の割合を明示的に表示している場合には、AIによって高くスコアリングされる傾向があります。
エシカルなシャンプー:「環境」
Deederではシャンプーの環境評価を下記3項目に基づいて行なっています。
パッケージング
シャンプーに使われるパッケージングの環境への配慮度をスコアリングの対象としています。
具体的には、包装にサステナブルな素材を使用しているか、植物由来の塗料を使用しているかなどをエシカルデータとして参照します。
パッケージングが環境的にサステナブルであることを示す客観的な指標や具体的な数値が公開されている場合には、AIによって高く評価される傾向があります。
資源保全
シャンプーの製造過程で資源の保全を目的とした取り組みが行われている場合、その内容がスコアリングの対象となります。
例えば、製造過程で発生する廃棄物などの対応方法や、シャンプーを流した後の生分解性の高さなどがエシカルデータとして参照されます。
特に、資源のサステナビリティを証明する外部からの認証を取得していたり、サステナブルな原料を利用している割合が具体的な数値で明示されている場合には、AIによって高く評価される傾向があります。
エネルギー消費
シャンプーの製造過程でのエネルギー消費についてもスコアリングの対象となります。
例えば、製造に必要なエネルギー使用量の削減や、利用するエネルギーを再生可能エネルギーに切り替える取り組みがエシカルデータとして参照されます。
具体的な削減量や再生可能エネルギーの利用割合を公開している場合、AIによって高く評価される傾向があります。
エシカルなシャンプー:「社会的責任」
Deederではシャンプーの社会的責任評価を下記2項目に基づいて行なっています。
チャリティー
シャンプーの売り上げが社会貢献活動に活用されているかどうかをスコアリングの対象としています。
例えば、売り上げの一部を資源保全活動に寄付しているかといった情報がエシカルデータとして参照されます。
具体的な寄付金額や割合を公表していたり、寄付先の団体が明示されている場合には、AIによって高くスコアリングされる傾向があります。
動物実験
シャンプーの開発・製造において、動物実験を行っているかどうかをスコアリングの対象としています。
例えば、開発・製造において動物実験を禁止しているか、部分的に実施しているのかといった情報がエシカルデータとして参照されます。
動物実験を行っていない旨を証明する外部からの認証を取得していたり、動物実験を実施している割合を具体的な数値として公開しているような場合には、AIによって高くスコアリングされる傾向があります。
シャンプーでエシカル消費を実践する重要性とは?
私たち消費者がエシカルなシャンプーを選択して購入するエシカル消費の実践を通じて、大きなインパクトを生み出せると考えられます。
個人消費がもたらす影響を最小化できる
シャンプーなどに含まれる界面活性剤は人体や環境に対して様々な悪影響を持つことで知られていますが、製品の使用後にそれらは自然環境に排出されることになります。
日本における1年あたりの界面活性剤の総排出量約3万トンのうち、半分以上に及ぶ約65%が家庭から排出されています。
私たちがエシカルな消費スタイルを心がけることで、自分たちの髪を清潔に保ちながらも、その消費活動がサステナビリティに与える影響を最小化できます。
製造メーカーにエシカルな投資を促すメッセージを送れる
シャンプーの消費量とそれに伴う影響について述べましたが、実はシャンプー業界ではすでに大手メーカーを中心にサステナブルな製造体制づくりへの積極的な投資が行われています。
例えば、大手消費財メーカーのユニリーバは2030年までに、世界で使っている製品の原料を100%生分解性のものにするという目標を掲げています。
2024年現在では、まだこの目標は完全には達成されていないものの、すでにユニリーバが世界中のビューティ&パーソナルケア、ホームケア製品で使っている原料の約90%は生分解される成分になっています。
私たち消費者が、このような取り組みを行っているシャンプーメーカーの製品を選ぶことで、「エシカル領域への投資が売上向上や市場シェア獲得につながる」というメッセージをメーカーに送ることができます。
このような状況を作り出せれば、メーカーは販売戦略やマーケティング戦略においてエシカル投資を重要な取り組みとして位置付けるようになり、積極的なエシカル投資が持続的に行われていく世界を作ることができるとDeederは考えています。
シャンプーでエシカル消費を実践する方法とは?
ここまでの内容を踏まえ、「エシカルなシャンプーを選択して購入したい!」と思った場合、どのように実践すればよいのでしょうか?ここでは、エシカル消費に取り組むための具体的な方法を紹介します。
製造メーカーの公式サイトを参照する
シャンプーメーカーがエシカルな取り組みを進めている情報は、多くの場合、公式サイトで公開されています。普段使っている製品や興味がある製品の公式サイトを確認することで、その製品がエシカルかどうかを判断できます。
パッケージングを参照する
包装に使われているフィルムやボックス容器などに、製品のエシカル情報が記載されている場合があります。
例えばボトル上に再生プラスチック利用を示すロゴが記載されていたり、添加物に関する情報が記載されていたりします。こうしたパッケージ情報を参照することで、エシカル性も考慮に入れた製品選択が実践できるでしょう。
Deederを活用する
製品エシカルデータ検索サービスDeederでは、ユーザーがエシカル消費に取り組んでいけるよう、製品のエシカル度をAIによってスコアリングしています。製品のエシカル度が「見える化」されているので、エシカルスコアの高い製品を見つけて購入することで、誰でも簡単にエシカル消費を実践できます。
Deederで扱っているシャンプーは下記のリンクより確認できます。ぜひエシカル製品のリサーチにお役立てください。
おわりに
この記事では、エシカルなシャンプーとは何か、そしてそれがなぜ重要なのかについて解説しました。シャンプーは、私たちの日頃の生活の様々なシーンにおいて無くてはならない製品です。
エシカル消費を実践することで、シャンプーを日常的に使用しながらも、サステナブルな世界の実現に貢献することができます。
この記事が皆さんのエシカル消費を始めるきっかけになれば幸いです。最後までお読みくださり、ありがとうございました!